成長する仕事、「働く仲間に最高の未来を」をコンセプトに店舗展開を目標にしてる原田です。
このブログでは指名売り上げを上げたい美容師さん、これからもっと成長したい美容師さんに向けたブログになってます。
売り上げアップのヒントになるかもしれないので是非参考にしてみて下さい。
また僕がお店を立ち上げてからの気付きや体験、などもシェアしていきますのでよろしくお願い致します。
美容師としてお客様と向き合う上で最も重要な技術の一つが「カウンセリング」です。どれだけ技術力が高くても、お客様の“本当の悩み”や“理想像”を正確に捉えられなければ、仕上がりに満足していただくことはできません。
そのために必要なのが、「悩みの解像度を上げる」という視点です。
■ 解像度が低いままのカウンセリングでは、表面的な提案に終わる
たとえば、お客様から「髪がまとまらないんです」と言われたとします。
この言葉だけで「じゃあレイヤーを入れて軽くしましょう」と提案してしまうのは、非常にリスクがあります。
なぜなら、“まとまらない”という表現の中には、以下のような多層的な意味が含まれている可能性があるからです:
- 湿気で広がる(毛質の問題)
- スタイリングの時間が取れない(ライフスタイルの問題)
- そもそも自分に似合っていない気がする(心理的な不一致)
- カットやパーマが原因でダメージが出ている(施術履歴の蓄積)
表面的な言葉をそのまま受け取るのではなく、背後にある要因をどれだけ深く読み解けるか。それが“解像度”です。
■ 解像度を上げる思考法:「連想的アプローチ」の活用
悩みの解像度を上げるためには、「連想ゲーム」のような思考展開が有効です。
これは、お客様の言葉から“なぜ?”を繰り返して、背景要素を連鎖的に掘り下げていくアプローチです。
実際の思考プロセスとしては、以下のように展開されます。
例:「朝のセットがうまくいかない」
- なぜ? → 時間がない
- なぜ時間がない? → 出勤・家事・子育てでバタバタしている
- どれくらいの時間がある? → ヘアセットにかけられるのは3〜5分
- 使用ツールは? → アイロンは使わない/ワックスも苦手
- つまり… → “何もせずに形になるスタイル”が望ましい
このように、連想的に深掘りしていくことで、**お客様が本当に必要としているのは「時短」ではなく「非テクニカルでも再現できるスタイル」**だと見えてきます。
■ お客様理解とは「技術に入る前の技術」
技術施術は、お客様の要望を形にする「手段」にすぎません。その前提として、「目的=お客様の真の悩みや理想」を正確に把握している必要があります。
言い換えるなら、“カウンセリングの精度”がすべての技術を活かす前提条件です。
■ まとめ:言葉の奥にある「背景情報」を拾う力を磨く
お客様が使う言葉は、あくまでも“表現の一部”です。その言葉の背後には、
- 生活習慣
- 技術的な理解レベル
- 心理的な背景
- 過去の美容体験
など、さまざまな要素が複雑に絡んでいます。
「連想的思考」で情報の連なりをたどる力を養うことで、より的確な提案ができるようになりますし、お客様との信頼関係も深まります。
美容師にとって「悩みを読み解く力」は、スタイルを作る手よりも先に鍛えるべき“見えない技術”です。
ぜひ、カウンセリングの解像度を高める習慣を日常の中に取り入れてみてください。